第3回東京 雁鳴きフォーラム                 2008年2月19日

「若者の自立支援活動について」

                           キャリアカウンセラー 楠本 渉

講師略歴:1964年大阪外国語大学イスパニア語科卒業、伊藤忠商事入社
       鉄鋼貿易、海外事業経営、海外コンサルタント業務などに従事。55歳
       ごろから人材開発、人材ビジネスに軸足を置き、潟Lャプラン、 潟pソナ勤務
       現在若者キャリアセンター(ジョブカフェ千葉)及びNPO法人キャリア)
       デザインセンター(理事で若者の自立支援活動に情熱を燃やしている。
       認定産業カウンセラー、キャリアカウンセラー、人生設計アドバイザーの会(会員数約300名)会長


1.ニート・フリーター問題

1) 自立できない若者たちの実態
フリーター200万人 ニート64万人 引きこもり40万人 不登校19万人
ワーキングプア、格差社会の形成と社会保障制度の危機 

2) 簡単に転職する若者たち
7・5・3問題 非正規労働者の増加 IT技術者不足 通年、中途採用制度

3) 社会的背景
就職氷河期の新卒者のフリーター化  いじめやパラサイトシングル現象
若者の価値観や選択肢の多様化  働く意味が分からない、職業知識不足
人間力特にコミュニケーション能力、常識、マナー不足  家庭環境

2.子供をフリーター・ニートにしないために

1) 子供の自立はまず自律から
・ 自律―自己統制 子供の主体性、自主性を大切にする子育てを
・ 親は先回りして口出しせず、見守る・我慢する
・ 失敗を恐れない、失敗から学ぶことが多いので先ず行動して気づかせる
・ 子供の話を熱心に聴く(聞くではだめ)子供を無視しない
子供は話しながら気持ちや考えを整理し、自分で解決策を考える

2) 子供の自立を支える5条件
・ 心身の健康―家族とのかかわりが一番の栄養
・ 身辺生活の自立―家事分担、身の回りのことは自分でできることが第一歩
・ 精神的自立―親はあえて口を出さない、手伝わない 孤独に耐え行動する力
・ 豊かな人間関係を結ぶ力―家族以外の人たちとの交流を促す 言うべきことが言えて、
 聴くべきことが聴ける人間(口は1つだが耳は2つあるのはどうして)
・ 経済的自立―アルバイト経験、お手伝い、家庭の中でのキャリア教育を 
好きなこと(興味)・できること(能力)・大切にしたいこと(価値観)の3要素が職業選択の基本となる

3.若者の自立・就労支援施設・機関

1) 引きこもり・ニートの支援
・ 専門医 (船橋市の佐々木病院 斉藤医師など)
・ 若者自立塾、地域若者サポートステーション(公共施設)
・ NPO法人 育て上げネット、セカンドスペース、ニュースタート事務局
キャリアデザイン研究所 など

3) フリーター、学生支援
・ジョブカフェ(若者キャリアセンター)
・ ヤングハローワーク
・ リクルート就職ショップ、パソナ仕事大学校(有料)など

4.私が実践している若者支援活動の内容

1) ジョブカフェ千葉(船橋市)
・ 個別相談―カウンセリングを行い、求職者に適した支援メニューを考えて行動を促す。
 適職診断などのツールを使って自己分析をしてもらい、方向性を決める。
・ 就職活動に必要なスキルを身につけるための各種セミナーを実施する。
−自己PR、面接練習、マナー、話し方、求人検索の方法、コミュニケーション
・ 求人情報提供、会社・職場見学ツアー、求人フェア、仕事探しカフェ等
・ 大学・高校生および進路指導者に対するキャリア教育

2) NPOキャリアデザイン研究所
・ ニート・フリーター親セミナー
 学者、医者などの専門家を講師に呼んでシンポジュームを開催する
・ 親同士の懇談会を開催し同じ悩みを持つ親の交流を図る
・ 個別カウンセリングサービス
・ 高校、大学に出向きキャリア教育を支援する
・ 会員相互の教育研修会を行う
・ パソナの仕事大学校や行政が主催する支援活動の受託事業
                                                                               以上


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